淡雪のコーヒーがお客様の価値観を変えた
10代や20代の人たちにはミルクの入ったカプチーノやラテが人気で、ブラックコーヒーは苦くて飲めない、体に合わないといった話をよく聞きます。
でもある日、いつもカプチーノを飲んでいた彼女たちにケーキと合うブラックコーヒーをおすすめすると、「すごく良い香りでおいしい!」と言って抵抗なく飲んでもらえたんです。 その瞬間から彼女たちの顔が明るくなって、ブラックコーヒーに対する苦手意識も消えてなくなっているのが分かりました。いつかどこかでおいしいスペシャルティコーヒーとの出会いは待っていたかもしれないけど、彼女たちの価値観を広げるきっかけを淡雪で与えられたことが、お店の存在意義を感じられるとっても幸せな出来事でした。
お店をやっていると、飲んだコーヒーの感想はなく器やインテリアのことを執拗に聞いてくる人や、SNSの写真目的で来る人の利己的な行動に辟易とすることがあります。だからこそ純粋にカフェを楽しむ彼女たちのようなお客さまがいると私たちも穏やかな気持ちになれるし、美しい時間を過ごせるんです。コーヒーとケーキでお客さまが笑顔になる、この光景を見たくてお店をやっているんだって心から思えた瞬間でした。
東京ではスペシャルティコーヒーが当たり前のように人々の日常に浸透していて、若い人も気軽に飲みに行く光景を目にします。この街でも同じようにスペシャルティコーヒーの文化を広めていきたいから、最先端のコーヒーのトレンドを気軽に体験してもらいたいな。